特集

  • 文:山口努 / 編:青木淳
    2013年10月30日更新

『NO RUN NO FOOTBALL』 走ることこそサッカーの常識。走れる選手を目指そう!

強豪チームの条件 ~味方を助けるラン~

  • 近年、世界中を魅了しているバルセロナのサッカーは美しいですね。
    バルサの美しく強いサッカーは、走る(ラン)ことによって強固なものとなり、スペイン代表でも如何なく発揮された彼らの力は、無敵艦隊とよばれるスペインの航海を“より”力強いものにしています。
    今回は、強豪チームの必須条件でもある“走る(ラン)”について巡ります。

献身性が光るバルサの守備

  • バルサの強さを支える大きな要素の一つは、基礎的な「出したら走る」を重視したタッチ・アンド・ゴーでしょう。
    守備姿勢にも反映された“それ”は、ボールが相手に渡った瞬間から積極的に走り、「6秒間でボールを取り戻せるか?」という興味深い動画が生まれたほど!
  • 攻撃的なチームであるバルサですが、守備も積極的に走っているのですね。
    イタリアやイングランドの強豪チームをみると1試合でのチーム平均走行距離は100km前後が多いなか、昨季CL(チャンピオンズリーグ)のバルサは110kmを超えています。

サッカーの潮流はドイツに移るのか?
スペイン勢を打ち破ったドイツ勢のラン

  • 昨季のCL 決勝で敗れはしましたが、ボルシア・ドルトムントのサッカーも注目を集め、縦に速い“走る”攻撃は、「現代サッカーの指標」との呼び声を得ています。
    今季CL・マルセイユ戦でみせたカウンター(1分~)は呼び声に恥じないプレーですね。

    セットプレーを弾き返すと相手ゴールに6人が攻め上がり、戻るマルセイユの選手を尻目に、攻撃のスイッチが入った選手たちがゴールまで雪崩込んでいます。前線に残った選手が左サイドに開き、しっかりカウンターの起点になっていることも見逃せません。
  • 昨季CLのドルトムントは、前項で触れたバルサを大きく上回り、チーム平均走行距離120kmを超えています。たかだか10kmの差に思われるかも知れませんが、この平均距離レベルで、「フィールドプレイヤー1人に1km」の上乗せは並大抵なことではありません!

最後まで走れることがチャンスに繋がる

  • 現日本代表のフランス戦でも「走るサッカー」が勝負の決め手になりました。

    守備に追われ、走らされる時間が多かったこの日の日本代表。
    勝負を決めた得点が生まれたのは、なんと終了間際の後半43分。奇跡とも言われた勝利ですが、最後の最後まで走れたからこそ生まれた必然の得点でしょう!
  • 昨季、日本代表のチーム平均走行距離は100kmほど。
    つまり日本選手は、ほぼ10kmを走り終えようとしている時間帯に、あの“走り”を出せることでチャンスを掴みとれたのです。

現代サッカーに求められている基準 「走れているか?」

  • 現代サッカーにおいて「走れる選手」がスタンダードになっていることは、他ならぬ世界の強豪が示していましたが、日本高校サッカー界でも“ラン”は注目されています。
    今夏のインターハイでは1試合平均走行距離8km(注:35分ハーフ)を超える選手が何人も登場しました。

    「勝利のために、チームのために、献身的に走れるか?」
    使い古された感のある問いかもね・・。しかし現実においては、走行距離という「具体的な数字」が指標化しているのです。
    それは走ることが常識とされている確かな証拠。
    あなたは?あなたのチームは?走れてる?
    NO RUN NO FOOTBALL!


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